薪の原料となる樹木が手に入っても、それを使用する長さや太さにしてあげないと、薪にはなりません。焼却炉と違って薪ストーブにはそれなりの長さに短くしてあげないと入りきれませんし、太い薪は火付きが悪く、煙やススの原因になります。
今回の記事では快適な薪ストーブライフを行うために必要な道具を一覧にして紹介します。さらに薪割りや保管について必ず必要なものと、あったらいいなと思う小物を揃えてみました。
主に私が使用している、道具を紹介して使用感なども踏まえてお話しましょう。
薪を作るために必要な道具
薪ストーブには、燃料となる薪が必要となります。
単なる切ってきた樹木を燃やす焼却炉と違うのは、燃やす薪を作ってあげないと、しっかりと燃えないようになっています。
その薪を作る工程は以下の順になります。
- 樹木を倒す
- ある程度の太さの丸太を切り出す(短い丸太のことを玉切りと呼びます)
- 丸太をさらに割って薪とする
- 少なくても半年以上は乾燥させる
樹木を倒す
不要な樹木は伐採して、切り倒します。これを伐採木と呼びます。
伐採には危険を伴いますが大量の薪の材料となる樹木が手に入れることができます。伐採には経験と知識が必要となるので、初心者は止めておきましょう。
伐倒した木々が建物や自動車に当たってしまうと大きな損害が発生します。
倒木・玉切り道具
樹木を切り出す時や玉切りを作るときにはチェンソーが必要となります。
我が家では電動式チェンソーを使っています。エンジン式と比べてパワーが弱いですが音が小さいので好んで使っています。エンジン式のチェンソーも欲しいのですが、主に玉切り作りが中心なので電動チェンソーで頑張っています。
電動チェンソーでは自宅の敷地内で長さを調整するために使用しています。
メリットは騒音が少ない点です。また、電動工具のように簡単に使用することができる点も良いですね。デメリットは電源の確保かバッテリーに使用範囲が影響される点です。また、大きな幹を切ることがとても難しいです。
特に住宅内でのチェンソーの使用については、電動式のチェンソーをオススメします。
チェンソーについては電動式チェンソーを詳しく書いています。
以上のことから、下記の工程においては、チェンソーが必要であることがわかります。
1.樹木を倒す
2.ある程度の太さの丸太を切り出す(短い丸太のことを玉切りと呼びます)
チェンソーは危険な道具であることから、しっかりとした管理や使い方の講習を受けたほうが良いと思います。
エンジン式チェンソーはこちらのブログが一番です
薪割り道具
玉切りが手に入ったら、薪を割る道具が必要です。
玉切りのままでは薪ストーブには入らないので必ず必要だと思います。これらは己の力と工夫だけで原木を薪にする道具達です。
薪は大きさによって、目的が異なり安定した薪ストーブの熱量を保つためには大きさの異なる薪を用意する必要があります。
薪割りをするためには、薪割りをする道具が必要です。この際、大きく機械式か手動式に分けられることになります。
薪づくりの工程についてはこちらに詳しく書いています。
薪割り道具
左から楔(くさび)2つ、枝切用小型斧(Fiskars フィスカース X7 Hatchet 7850)、薪割り鎚;中大径木用(グレンスフォシュ製)です。
アックス(Axe,Ax)
斧のことを英語ではアックスと呼びます。特に金太郎が持っている日本独自の斧を和斧と呼び、欧米製の輸入斧に対しては、アックスと呼びます。
それぞれ、日本人に合わせて作られた和斧、背の高い西洋人に対して作られた西洋斧があり、好みは人それぞれです。
さらにアックスは大型の薪割り用と、焚付用の細身の焚付材を作る小割り用に分けることができます。
左が枝切用小型斧(Fiskars フィスカース X7 Hatchet 7850)、薪割り鎚;中大径木用(グレンスフォシュ製)です。
フィスカース X7は小割にしたり、焚付用の薪を作る際に重宝しています。また、キャンプに持参して現地で薪拾いをした後の処理にも使用することができます。
この斧だけで、頑張れば15センチぐらいの木を切り倒すことも可能でした。
フィスカース X7についてはこちらの記事で詳しく書いていますよ
通常の薪割であればグレンスフォシュ製薪割り斧槌で事足ります。この道具は斧と槌のコンビネーションになります。
柄の長さがとても長く、慣れるまでは少し時間がかかると思いますが柄が長い分、強い力を発揮することができます。
アックスの刃については以下の記事を参照
楔(くさび)
ウェッジ、ヤとも呼びます。鋳鉄、鍛鉄、アルミ合金などで作られたもの。また、伐倒用の強化プラスチック製のものがあるので、目的よって素材を選ばないといけません。伐倒用の楔は薪割り用では使えないので注意が必要です
薪割り用としては、通常は節などがある場合に利用し、斧だけでは割れない玉切りに使用します。また、木の種類によっては、斧が跳ね返される場合などに使用します。ポイントは木の割れ目に楔を入れ、ハンマーで割るのが通常の使い方です。
槌(ハンマー(も大型のほうが、強い力を楔に伝えることができるので、大型の槌が必要です。
グレンスフォシュ製薪割り斧槌では、斧と槌がセットとなっているのでオススメします。
楔もいろいろなカタチがあり、ストレートタイプとねじれタイプと分けられます。ストレートタイプの方が軽く、ねじれタイプのほうが重い傾向があります。
割りたい原木に割れ目があれば、そこに楔を打ち付ければ簡単に割れてくれます。
しかし、楔を打ち付ける時に小さめのハンマーで楔を打ち付けて安定してから、大型の槌で打ち込むようにしています。
楔は複数使うほうが力が小さくて済みます。一つ目を打ち込んだ隙間に、二つ目の楔を差し込んで打ち込みます。さらに一つ目の楔に戻る。。。これを繰り返すといつかは割れる寸法になっています。
ちなみに楔を打ち付けるときには、金属音を叩く音がするので注意が必要です。
ハスクバーナのねじれ型の楔はとても強力で、すごく薪が割れやすい印象があるのでオススメです。
ラチェット式ベルト
薪割りにはラチェット式ベルトを使うと、薪割りの負担が減るでしょう。
薪割りする薪をセット→薪割り→割れた薪を拾ってセット→薪割り 繰り返し。。。
この割れた薪を拾うことがとても苦労します。これを解消する道具としてラチェット式ベルトが便利です。
詳しくはここの記事で紹介しているので読んてみてください
薪割り機
アックスで薪割りをするメリットとしては、電源や騒音が少ないことです。デメリットとしては時間がかかることや体力が必要なことでしょうか。
薪割り機があれば、単純作業で単一の大きさの薪を作ることができ、時間も少なくて済みます。
薪割り機は、国内製か製造をしているメーカーをオススメします。
販売だけ取り扱っている格安の薪割り機は、故障や部品の交換を取り扱っていないことがあるので注意が必要ですね。
薪を運搬する道具
原木や玉切りを運搬する道具
原木や薪を運ぶためには運搬器具があったほうが良いです。
運搬するためには軽トラ一輪車、アウトドアキャリーなどが必要です。原木を一気に運ぶ時には軽トラがあったほうがいいでしょう。ただ、そのためでに軽トラを購入して置いておけるかと難しいこともあります。でも、軽トラが欲しいですね。
我が家では、庭内の運搬用に一輪車を使用しています。なんといってもガサッと雑に扱ってもなかなか壊れないことと、音も少ないと感じます。運搬器具がないと常に両手で持ち運ぶことになるので、ある意味重要な道具だと感じます。
原木や割り切った薪などを一気に運搬しましょう。
アウトドアキャリーも薪の運搬に使用している方もいるようです。
気になるのは深さがあるので、積み込みや取り出しの時に腰を痛めてしまうかもしれません。ただ、一気に運搬できるメリットがあります。収納もコンパクトになるので良いかもしれませんね。
ただし、ガサッと一気に入れるとフレームが痛むことがありそうなので、コンパネなどで補強したほうがよいと思います。
アウトドアキャリーについてはこちらをどうぞ
薪を自宅内へ運搬する道具
ログキャリーと呼ばれる、薪運びに専用のバッグなども販売されています。
ログキャリーは自宅内への薪の運搬に適しています。薪割り時の大量の薪の運搬や原木を運ぶという目的とは違うかもしれませんが、ひとつは欲しいところです。
我が家ではIKEAの格安で販売されているバッグで運んでいた時期もありました。
意外と使えると感じるのは、ダイソーで売っているプラスチックコンテナの中サイズと大サイズです。シーズンオフは小さく収納できるのでオススメします。
また、薪の大きさにって、リンゴ箱に整理して収納しています。特に寒い夜に薪棚まで取りに行くのが苦になるので、このような箱に入れておくと便利です。暖かい日やシーズン前に整理しておくのが吉です。
燃やす直前には、このようにスタンバイをして、寒い日を待ちます。特にブロックや節のある薪は箱に入れておいて乾燥させます。
薪の保管庫
薪割りをした後は、少なくても半年、長くて2年ぐらい薪を乾燥させてあげないといけません。薪の収納棚が重要です。
薪棚の作り方はこちら
とにかく収納庫や収納ボックスがないと、整理ができなく薪棚が崩れたり、大割を探す手間があったりするので、日頃から整理整頓がオススメです。
含水計
含水率とは、薪の重量に対してどれくらい水分が含まれているかをパーセント表示したものを呼びます。薪ストーブに適した薪では10〜20%が良いとされている。表皮に近い部分と中心部(芯)では、芯のほうが水分量が多くなる傾向があります。
含水計は、この含水率を測定する機器で、薪に焚べる前には一度は測定しておきたいものです。
長年、柱で使用されてきた桧は、10%を示しかなり乾燥していることを示している。木はある程度水分を含んでいることがわかる。伐採してきたばかりの木々ではさらに水分量が多い。さらに夏に伐採した木と冬に伐採した木を比べると、夏の木のほうが水分を多く含んでいる傾向があります。無駄なエネルギーロスを減らすためにも、焚べる前の薪は一度は測りましょう。
〆
いかがでしたか?実際に薪ストーブを焚くまでには薪を作る工程がありますが、それも含めて薪ストーブライフだと思います。
原木から手間を掛けてつくった薪で暖まるのも、また格別だと言えます。
そろそろ薪ストーブのシーズンがやってきますね
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