薪とともに

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    未晒し蜜蝋ワックスの原料の蜜ロウとは何かどのように使用されてきたのか、まとめてみました

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    蝋燭(ろうそく、ローソク)は、誕生日や仏壇などの日常生活でとても密接しているものです。こんなにも一般的であるのにもかかわらず、蝋(ロウ)のことはご存じない方が大半です。

     

    また、ろうそくは普段は漢字で表記していることが少ないです。多くの方が蝋(ロウ)を漢字で書くことは難しいのではないでしょうか?

     

    この記事では、蜜蝋ワックスについてくわしく掘り下げてみたいと思います。蜜蝋ワックスの作り方や歴史について詳しく調べてみました。
    さらに、晒し蜜ロウと未晒し蜜ロウの違いとはなにかについても書いています。 

     

     

     

     

    蝋(ロウ)とはなんでしょうか?

    蝋(ロウ)は、主に動物の油脂、植物の油脂などから採取されますが、近年は石油の原油を分留して得られる蝋質の炭化水素であるパラフィン系のワックスのことも含みます。

     

    便宜上、古来日本でも用いられて日本文化になじんだ動植物由来のものを日本語(漢語)の「蝋」、近現代になって日本社会に登場し、古くからの日本文化とのなじみの薄い鉱物・石油等由来の物を英語由来の外来語である「ワックス」としたが、英語では全て"wax"である。(Wikipedia)

    蝋(ロウ)とは、動植物から得られた油脂のことで、ワックスとは鉱物由来の油成分ということになります。いずれにせよ、英語ではまとめでwaxと呼びます。

     

     

    蜜蝋ワックスは英語ではどう表示する?

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    ミツロウは英語でbeeswax

    蜜蝋を英語で表記するとBeeswaxと表記します。日本では一般的に呼ばれている蜜蝋ワックスをそのまま英語で表記すると、ビーワックス ワックス(Beeswax wax)となります、変ですが。

     


    ところで、BeeswaxのBeesは蜂を意味しますよね、蜜ワックス(honey wax)ワックスではないのではないのでしょうか?なぜ、海外では蜂のワックスなんでしょうか?

     

    これらの謎は主成分にありました。

     

     

     

    蜜蝋ワックスの主成分の蜜蝋とは?

     

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    蜜蝋ワックスの主成分であるミツロウ(蜜蝋、Beeswax、Cera alba)はミツバチの巣を構成する蝋を精製したものを呼びます。別名蜂蝋とも呼ばれています。

     

    改めてミツロウとは何かを問うと働きバチの蝋分泌腺から分泌される液であり、当初は透明でできているようです。これを使用してミツバチの巣を作っており、ミツバチに付着した花粉やプロポリス、幼虫の繭、排泄物などが巣に付着していくようです。

    つまり、巣からそれらの付着物を除去して精製したものがミツロウになります。

     

    実際に蜜ロウを作っている動画がありました


    我が家の蜜ろう精製法

     

    蜂の巣の蜜ロウはどのように作られる?

    蜜ロウはミツバチが体内で合成し分泌する物質であり分泌するところを蝋腺(ろうせん)と呼びます。さきほど書いたように、ここから分泌されるものが、ミツバチの巣の主要な構成材料となっています。

     

    それでは、蝋腺とはどのようなものでしょうか?それはミツバチの腹部にある分泌腺のことを指します。この蝋腺から分泌された分泌物が蜜蝋(蜜ロウ)です

     

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    この図でいえば8がミツバチの腹部になりますが、この部分に蝋腺と呼ばれる場所があります。この部分から巣を作る蜜ロウが分泌されるようです。主に巣を作る若い働き蜂によって生産されます

     

    ここで確認したいのが、ミツロウとはハチミツ(蜜)ではないということです。ミツバチから分泌された動物性の脂質が主成分で、蜂の巣の成分のことです。

     

     

     

    世界と日本では蜜ロウはどのように使用されてきた?

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    蜜ロウは中世ヨーロッパではろうそくの主原料でした。他の脂質から作られたろうそくよりもより明るく、そしてより長く燃え、曲がらず、「よりきれいに」明かりを灯すことができるからです。ローマ・カトリック教会や正教会では推奨されていたほどでした。

     

    また、絵画の油絵具などの薄め液や外科手術の止血のために使用されたり、石鹸、クリーム、口紅、髪の毛に使われるポマードや、サーフボードのワックスや靴磨き剤などの原料として利用されてきました。

     

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    日本では単軟膏と呼ばれ植物油と混ぜて、かゆみ止めやリップクリームの保湿剤として使用されてきました。

     

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    フランスではカヌレ(Canelé)と呼ばれる洋菓子にも使用されており、摂食しても人体には害はありません。欧州では食品添加物E901(光沢剤)としても認められています。


    カヌレ Cannelés de Bordeaux

     

    以上をまとめると蜜ロウとはミツバチの蝋分泌腺から分泌されるろうを精製したものであり、人体には塗っても食べても問題ないということが言えます。

     

     

     

    サラシ蜜ロウと未晒し蜜ロウの違いは? 

    f:id:Suiten:20180225225659p:plainそれではサラシ(晒し)とミザラシ(未晒し)の違いは何でしょうか?日本語で晒しとは漂白のことを指します。

     

    ミツロウを漂白したものをサラシ蜜ロウと呼びます。サラシ蜜ロウとは漂白した(晒した)蜜ロウのことを指します。ミザラシ蜜ロウとは、蜜ロウをそのままの状態(未晒し)のことを指し、黄色っぽい色がしているものとなります。

     

    つまり、未晒し蜜ロウワックスとは蜜ロウの原料をそのまま使用したものということがわかりましたね。

     

     

    特徴

    白色ワセリン

    石油から精製

    植物油

    オリーブ油、エゴマ油など

    豚脂

     

    サラシミツロウ

    ミツロウを漂白したもの

    ミツロウ

    ミツバチの蝋腺から分泌されたもの

    単軟膏

    ミツロウ+植物油

     

     

    これら未晒し蜜ロウワックスは、無垢材のワックスとして使用しても人体に害はなく、自然派の住宅床材や無垢材、木製家具などに使用してみてはいかがでしょうか?