今回の記事では、薪割り機の修理を紹介します。
ホームセンターでも薪割り機の修理をするには、どうしたらよいかと尋ねても、ほとんどの方は薪割り機の存在すら知らないという感じでした。
メーカーに問い合わせたり、自分なりに分解して仕組みを想像したので、はじめて電気式薪割り機を修理される方には、役に立つ記事だと思います。
今回修理した プロギア電気油圧式薪割機は、こちらに詳しくスペックが書いています。
修理内容
長く使っているので、さすがにオイル漏れがひどくなってきました。今回の修理はシリンダーの部品以外は分解して、掃除し、オーバーホールした感じになります。
特に馬力が弱ってきたので、いよいよオイル漏れを直すべきだなと感じたのが決めてです。
オイル漏れの原因は、シリンダーを格納している本体(番号18)と前面にあるシリンダーカバー(番号16)との接合部分からでした。この接合部分は、液状ガスケットによって固定されているので、分解が必要な修理でした。
この薪割り機は、とても重く本体重量はカタログ上では46kgとなっています。このため、一人で修理するとなるとかなり体力が必要です。中に入っているオイルを抜き取り、できれば劣化しているOリングを交換したいと思います。
薪割り機の分解図
キンボシ製の薪割り機は分解図が公開されています。他メーカーでも同様の仕組みになっていると思われます。
http://www.golden-star.co.jp/partslist/mower/pdf/kew-370.pdf
なんとか、分解図を参考にして、分解したのが下記の記事です。
修理部品の取り寄せ
キンボシさんでは、Oリングだけでなく、多くの部品を取り寄せることができました。
輸入物で薪割り機が販売されていますが、できれば国産の修理ができるところが良いでしょう。何と言っても、薪割り機はとても重く、簡単に移動させることが難しいでしょう。不要になったからと言っても、宅配での送付は難しいでしょう。
本体部分の組み立て
何が大変だったというと、本体があまりにも重すぎて、一人で組み立てるにはかなりの労力を使います。体力だけでなく精神的にも大変でした。本体が重すぎて、精神的に折れて、約一年間放置していたままでした。
分解するのは、なんとか一人で可能ですが、歪みをなく本体にシリンダーを設置することが一番大変です。
それぞれの部品だけでも、かなりの重さがあります。さらに薪割り機のアンバランスなデザインが、取り付けを阻みます。
シリンダーカバー(すでにシリンダーが差し込まれている)と呼ばれる部品を本体前面から取り付けます。これだけで、20キロぐらいの重さがあります。前面から紐で縛っておかないと、この部分が前方へずり落ちてしまいます。まだガスケットを塗っていないのでこの状態では、固定力が全くありません。
一体何が大変だったというと、本体にシリンダーを取り付けてもシリンダーが本体の中で遊びがあり、前後の器具を取り付けるだけでも大変です。
支えてくれる人がいれば簡単なことですが、一人でアンバランスな薪割り機を支えて、本体の中でグラグラするシリンダーを取り付ける作業が大変です。
本体を持ち上げ、本体にコンプレッサーを取り付けます。コンプレッサーだけで10キロは超えます。4本のステーボルトと呼ばれるものをコンプレッサーが取り付けてあるコントローバルブASSYに差し込むだけで大変です。
4本のステーボルトが入っても、しっかりとシリンダーとコントローバルブASSYの位置を確認してあげないと、しっかりとピストン運動ができないので差し込みます。
この微妙な位置を調整するのが重くて大変です。ちょっと調整するとずれてしまったり、前方のシリンダーカバーが外れてしまったりと試行錯誤でした。
シリンダーはバネによって後方に引き寄せられます。このバネがかかっている状態では、シリンダー内のピストンラムが出っ張ってしまって、コントローバルブASSYに差し込めません。
仕上げは、前方のシリンダカバーとコントローバルブASSYにガスケットThreeBond 1207Cを塗って固定します。このガスケットは耐油圧と速乾性に優れています。
ステーボルトにも隙間があるので、ガスケットで固定します。このガスケットをしっかりと塗ってあげないと、内圧が高まるとオイル漏れが生じてしまいます。
大量のガスケットを塗りつけたので、見た目がちょっとイマイチ、、、
同じオレンジ色なので目立ちにくいです。
オイル入れのポイント
油圧作動油は、粘度が ISO VG32となっており、約3.4Lを入れます。
コントローバルブASSYからシリンダー内部とコンプレッサーにオイルを入れていきます。一気に入れると漏れてしまうので注意が必要です。
オイルの交換の際は、分解図D(ピストン)部分が伸びた状態にて交換します。このシリンダー部分が伸びていない状態にての交換はオイルが入りきらないので注意が必要です。ある程度入れてから電源を入れるとコンプレッサーの空気によってピストンが伸びていきます。
この伸びた状態を紐などで縛って、さらにオイルを入れるという作業を繰り返します。
私の場合は、ガスケットを大量に塗っていたため、このエアーブリードスクリューを閉じてしまっていました。ドリルで貫通させておきました。
完成
なんとか、完成することができました。
やはり、薪割り機があると作業は楽に感じます。
まとめ
やっと、一年ぶりに薪割り機が復活しました。薪割り機があると、均一の薪割りができるのが良いところです。単純作業で繰り返しだけなので、通常の薪割りよりは簡単だと感じます。
何と言っても薪割り機の重量は50キロもあり、真夏に屋外で修理すると熱中症になりますので、季節の良い時期にするべきでしょう。
今回使用した道具や器具
オイルは大量になるため、拭き取り用のウエスや廃棄するためのポイパックなどが必要です。また、ガスケットがしっかりと固着させるためには、油分を洗い流す必要があります。このためパーツクリーナーなどが必要でしょう。さらに、古いガスケットを取り除くためのヘラなどもあったほうがいいですね。
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