大学入学共通テスト(センター試験)では、様々なカンニングが発見されています。カンニングが発覚すれば、その後はどうなってしまうのでしょうか?
私はセンター試験や国家試験で試験官をしていた経験があります。カンニングを発見した経験があります。大学入学共通テスト(センター試験)では、不正行為通知書というものを見せます。
そこで、今回は、過去どのようなカンニング行為があったかをまとめ、試験官はどのような感じで、カンニング(不正行為)を見破っているかについても、書いてみたいと思います。
この記事は、過去の大学入学共通テスト(センター試験)のカンニング記事をまとめたものです。
過去の記事はこちら 2017年、2018年、2019年、2020年度
今年のカンニングについてはこちら
- 試験官としてどのようなときに不正行為と認定するのか
- 不正行為があった後はどうなる?
- で、2016年度の不正行為
- 困ってしまう前の人の答えが見えてしまうこと
- 不正行為する人はわかる
- どこを見て判断しているか
- 〆
試験官としてどのようなときに不正行為と認定するのか
試験官の勘違いで、カンニングしていない受験生をカンニング行為である!というミスは絶対に許されません。お互いの人生に大きな影響を与えてしまいます。失敗は許されません。
カンニング行為と認定することは、慎重に判断することになります。
きちんと決まっているわけではないですが、認定する基準は以下の点が多いでしょう。
- 客観的な証拠が存在するとき
- 繰り返して不正行為を行う
- 複数の試験官によって認められるとき
これらは、ひとつでも不正行為として認定できますが、複数あるほうがカンニング行為を認めることが多いでしょう。試験官のミスや偶然では済まされないので慎重になりうります。
毎年、カンニング行為として怪しいなぁと思いつつ、上記の条件や証拠がない場合は見過ごしているのが現状でしょう。
逆に確実にカンニングしている客観的な証拠がない状態や、受験者が納得できない状態ではカンニングと認定することが難しいのが現状です。
1.客観的な証拠が存在するとき
いわゆるカンニングペーパー(通称カンペ)と呼ばれるメモや紙などを持ち込むことを指します。また、手や太ももなどに書き込む行為も含まれます。
最近はスマートウォッチやスマホなどを使いことが多いようです。
私が発見した事案は、ミニ・スカートの中にカンニングペーパーを収納していて、安易に覗けないようにしていることがありました。
2.繰り返して不正行為を行う
これらは、隣や前の席の他人の答案を覗き見するという行為があります。試験の立場からでは、一度だけ覗き見していても、偶然ではないかと考えて、しばらく監視を強化しています。その上で同様の行為が繰り返されたときにカンニング行為として認定します。複数の試験官によって認められることが、より根拠となりやすいです。
3.複数の試験官によって認められるとき
カンニング行為は、複数の試験官で認定したほうが客観的です。
試験官は怪しい人物をマークしていて、試験官同士で共有しています。また、他科目の試験官にもその情報は伝えられています。
多くのカンニング行為は、繰り返して行われることが多いので、複数の試験官がカンニング行為を認めた上で、受験者に通知することが多いです。
不正行為があった後はどうなる?
不正行為を発生するとこのような紙(不正行為通知書)を提示して移動してもらいます。
証拠がある場合も含めて事実確認を、別室で確認することになります。
別室で不正を確認すると、特に叱責するわけでもなく、すみやかにお帰り頂きます。
ここで注意し過ぎると、後々に帰り道に大事になったときに責任を問われるからです。
“どうぞお引き取りください” と述べるだけです。
かなり心理的に動揺しているときは保護者等に連絡して引き取ってもらいます。
で、2016年度の不正行為
同センターによると、不正行為の内訳は、カンニングペーパー使用2件▽定規使用2件▽試験時間中の問題冊子室外持ち出し1件▽スマートフォン使用1件▽試験終了後の消しゴム使用1件-の計7件。
スマホで撮影したもの
地理歴史・公民の試験中、受験生が問題冊子の下に隠したスマートフォンを見ているのを複数の監督者が見つけた。受験生を教室から退室させスマホを確認したところ、教科書を撮影した画像があった。本人も使用を認めたという。
センター試験:スマホなど不正、12人が全科目無効 - 毎日新聞
問題冊子の下にスマホがある時点で、意識的に用意していると感じます。
ポイントは問題冊子の下に用意している時点でOUTです。
通常、携帯電話はカバンの中にしまうように指示されています。この指示を守っていない時点で怪しいのです。
怪しい行動でもお咎めなしの事案も
静岡県では同日、試験中にスマートフォンを操作している受験生が確認された。通信機器を手で持つなどの行為は禁止されており、ここ10年間でスマートフォンを含めた携帯電話の使用による不正は初めてという。同センターは「学生のことでもあり、過剰な懲罰になってはいけない」として、不正行為の詳細な説明を控えている。
【大学センター試験】5都県で7人が不正行為で全科目受験無効に スマホ使用や問題持ち出し 5会場で運営ミスも… - 産経ニュース
試験中にスマホを持っていた時点で通常ではOUTです。どのような状況かはわかりませんが、試験開始!っとなった時点でスマホを持っていたのかもしれません。
この時の試験官も人ですので、判断には困ったと思います。疑われるべき行為を行った時点で通常はOUTなのです。
通常はスマホはカバンの中に入れてしまって出さないようにするか、持っていかないことをオススメします。
問題用紙の持ち出し
問題冊子を持ち出した受験生は16日、都内の会場で外国語筆記の試験中に無断で退出し、トイレに入った。所持品を確認したところ、かばんに問題冊子が入っていたという。ただ、通信機器を所持しておらず、同センターは試験問題の漏洩はないと判断した。
【大学センター試験】5都県で7人が不正行為で全科目受験無効に スマホ使用や問題持ち出し 5会場で運営ミスも… - 産経ニュース
普通に怪しい行動ですね。怪しまれる行動は慎むべきなのになぜか問題を持ったままトイレに行く理由がなんでしょうか?拭くのでしょうか?
通常、問題の持ち出しは禁止されています。てか、試験中に問題を持ち出す意味がわかりません。
先程のスマホを持っていただけ、とは意味が違います。
定規使用について
物理や数学の図形は、ある程度の精確に描かれているので定規で測ると答えが見えてきます。このため、定規の使用は禁止されています。
通常、机の上には筆記用具以外は置いてはいけません。最近はシャープ芯の入れ物もダメです。目薬も何か文字が書かれているかもしれないので、置かないようにとアナウンスしたものです。
2018年度のセンター試験では定規使用の不正行為がありました
困ってしまう前の人の答えが見えてしまうこと
写真ではあきらかに除いていますが、意図せずに前で受験している人の解答用紙が見えてしまうことってありませんか?
前の人が姿勢が悪い人や、解答用紙が身体からはみ出して書いている人など・・・の理由ですね。
自分が解答用紙を見ていないのであれば堂々としていれば良いのです。気になるなら 、筆談でいいので試験官に相談すると良いですよ。
不正行為する人はわかる
こちらのリンク先では、万引きGメンが万引きする人はわかると書いていますがすごく同意できます。
万引きGメンやってるけど、面白かったエピソード書いていく:哲学ニュースnwk
>>3
プロは絶対捕まらんわ
捕まるのは下手糞な素人だから
4: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2016/12/31(土) 00:02:25.79 id:Yo7oRud00
スーパーでの買い物ってリラックスタイムじゃん
みんなだらーんとした顔してるのに万引き犯は仕事中みたいな顔になってるからわかる
これと同じように試験中にカンニングする人は問題用紙を集中して見ていません。
ソワソワと時計を見る振りをして試験官の位置や様子を確認しています。
どこを見て判断しているか
試験官は受験者の何を見ているかというと目線です。
目線とは視線と同様であり、心理学的は視線はとても研究されています。
👆この写真はスライドショーになってます、写真の端をクリック。二枚目もあるよ
人間は生まれながらに視線を読む能力が備わっています。これは赤ちゃんにもある能力です。
例えば、一枚目の写真をみ子どもがおもちゃに夢中になっていることがわかると思います。
二枚目は何を感じますか?人間は感情をも目だけで読み取ることができるのです。
つまり、視線によって他人がどのような気持ちや心を持っているかを推察することができます。
不正行為する人の視線は、テストに集中していなくて別のことに注意が向いているので、試験官にはすぐにわかるのです。
そう、目は口ほどにモノを言うのです。
〆
今回は試験官の目線でニュースを書いてみました。試験官も人間なので不正を暴くことはしたくないもんなんですよ。
是非、不正などせずに合格してほしいものです。二次試験頑張れよ!