薪とともに

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    アックスを選ぶポイントとなる刃身について調べてみました。

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    斧のことを英語ではアックス(Axe,Ax)と呼びます。特に金太郎が持っている日本独自の斧を和斧と呼び、欧米製の輸入斧に対しては、アックスと呼びます。今回はアックスの要となる刃についていろいろと調べてみたことをまとめてみました。

     

    和斧と洋斧の違い

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    和斧は日本古来の薪割り斧を指します。地域によって刃のカタチが微妙に異なります。

    斧身の両側面には4〜3本の線が刻まれ、薪の食いつきを軽減しています。

     

     

     

    機能的な分類

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    薪割りに必要な道具はいろいろなものがありますが、一番必要なものは斧(アックス)でしょう。

     

    アックスは機能的には大型の薪割り用と、焚付用の細身の焚付材を作る小割り用に分けることができます。斧の大きさによって、叩き割る薪の太さも異なってきます。

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    左が枝切用小型斧(Fiskars フィスカース X7 Hatchet 7850)、薪割り鎚;中大径木用(グレンスフォシュ製)です。

     

     

     

    アックスの斧身素材について

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    斧の刃の部分のことを斧身と呼びますが、これの材質は鍛鉄(たんてつ)と鋳鉄(ちゅうてつ)があります。

    鍛鉄はロースアイロンとも呼ばれ、屋外の門扉や手すりで見かけることができますが、建築分野では鍛造技法によって作られた製品を「鍛鉄」と呼ぶようです。さらに鍛鉄は鋼(はがね)とも呼ばれています。

    鋳鉄は薪ストーブにも多く使われており、砂型に溶かした鉄を流し込んで型を取る作る。鋼材と比べれて熱を加えると鋼より早く液化するので金型に流し込んで加工するものに向いているそうです。

     

     

    鍛鉄と鋳鉄はどちらがいいの?

    では、鍛鉄(たんてつ)と鋳鉄(ちゅうてつ)はどちらが優れているのでしょうか。

     

    鉄と鋼、鋳鉄の違いは厳密には炭素量の違いによって呼称が変化します。

    鋼、鉄、鋳鉄の炭素量の違い
    素材 炭素量(%)
    約0.02未満
    約0.02から2.14
    鋳鉄 凡そ2.14を超える

    鋼、鉄、鋳鉄はそれぞれ何が違うか

     

    炭素が多いと鉄は硬くなりますが、これと反比例して粘り強さが減ってきます。

    粘り強さとは、たとえば鉄板に重い物を乗せると、わずかにしなりますが、硬度が高くなる金属に、強い力を加えるとしなりを越えて折れてしまいます。

    したがって、硬度が高くなるとこの粘りが減少し、折れるということになります。

     

    斧で考えると、地面を叩いてしまった時に、刃こぼれが生じてしまいます。硬度が高ければ木を割る際には強みとなりますが、逆に地面を叩いてしまったときには簡単に刃こぼれが生じてしまうことになります。

     

     

    鍛鉄と鋳鉄ではどちらが硬い?

     それでは、鍛鉄と鋳鉄ではどちらが硬いのでしょうか?

    一般的に金属の硬さは硬度と呼ばれるもので計られるので、調べてみました。

    高硬度材料との硬度比較
    素材の種類 硬度(ビッカース硬さ:HV換算)
    ダイヤモンド 7140~15300
    炭化ケイ素(SiC、セラミックス) 2350
    サファイア(Al2O3) 2300
    サファイアガラス 2300
    超硬合金 1700~2050前後
    サーメット 1650
    石英(水晶) 1103
    SKH56(高速度工具鋼鋼材、ハイス) 722
    強化ガラス 640
    SUS440C(マルテンサイト系ステンレス) 615
    SKT6(合金工具鋼鋼材) 512
    SCM822(クロムモリブデン鋼、クロモリ鋼) 302~415
    ベリリウム銅:時効処理後、C1720(T) 350~400
    SUS630(析出硬化系ステンレス) 375
    チタン合金60種(64合金) 280前後
    インコネル(耐熱ニッケル合金) 150~280
    S45C(機械構造用炭素鋼) 201~269
    ハステロイ合金(耐食ニッケル合金) 100~230
    SUS304(オーステナイト系ステンレス) 187
    SUS430(フェライト系ステンレス、18クロムステンレス) 183
    鋳鉄 160~180
    アルミ合金(7000系、超々ジュラルミン) 155前後
    チタン合金 110~150
    黄銅 80~150
    純鉄 110
    ハードプラチナ 100前後
    青銅 50~100
    アルミ合金 45~100
    カーボニル鉄 56~80
    マグネシウム合金 49~75
    アームコ鉄 60~65
    プラチナ(純プラチナ) 50前後
    純マグネシウム 46
    ホワイトメタル 15~30
    25
    22(熱処理により~50)
    鉛フリーはんだ材 20前後
    3.9前後

    金属の硬度の一覧表と比較

     

    世界で一番硬い素材とは?と聞かれるとおそらくダイヤモンドと答えるでしょう。

    硬度ランキングでは、やはり1位となっていました。

    鍛鉄は別名鋼と呼ばれますがこれに他の物質を足していることが多いようです。硬度順に見ると鋼→鋳鉄→純鉄という順になっていることがわかりました。

     

    ここでひとつ疑問なのが、炭素量が多いほうが硬い印象がありましたが、硬度順に見ると鋳鉄になっていました。単に素材だけでは硬度が異なるようで、鋼は化合物によって硬度を増している印象があります。

     

     

    アックスに適した斧身は?

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    材料の強さは、硬さ、靱性のほかにも衝撃に強いか(突然与えられる衝撃をどれだけ吸収できるか)、腐食や錆に強いか、耐疲労性があるか(繰り返し同じ場所に力がかかっても金属疲労を起こさないか)、磨耗に強いか、耐熱性、低温脆性(低温ぜい性:ごく低温な環境におくと材料が脆くなってしまう現象)に強いか、薬品や化学物質に強いか、といった指標が関わってきます。単一の指標だけを見て、その材料の持つ総合的な強さは判断し辛くなっています 鋼、鉄、鋳鉄はそれぞれ何が違うか

    こちらでも書いているように、単に炭素だけで強いと考えるのではなく、総合的に考えないとダメということがわかります。

     

    特にアックスは、何度も衝撃を加えられることになり耐疲労性については大きなポイントとなります。刃こぼれが多ければ手入れすることが増えることにつながります。

     

    さらに樹木の中の水分による腐食や繰り返し強い力を与えられることから一概にどちらの素材が良いのかは言えないことがわかります。

     

     

    オススメのアックス

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    私が持っているグレンスフォシュブルークス(Gränsfors Bruk) 大型薪割り 442は大型の薪割り用に使用しています。

    とても長いので強い力を発揮することができるので、大きな玉切りを割ることができます。また、刃身の真下には柄が折れにくいようにプロテクターガードがついています。

    薪割りに慣れていない時は刃ではなく柄で薪を叩いてしまうことがあります。この時にガードがあるとこの部分からの柄が折れることを防いでくれています。

     

    このグレンスフォシュブルークスはとても重いので、女性が扱うのは無理があるかもしれません。そこでこのアックスの良い点が、刃と反対側がハンマーとなっているため、楔を打つことに適した構造になっています。

     

    薪割りには、楔も持っておきたいアイテムです。

     

    スペック

    刃渡り:75mm
    柄長:695mm
    斧頭:W160mm、1800g
    本革ケース付き
    握り部分に滑り止め加工
    柄先はスチール製カバーで補強
    【替え柄】¥4,800(税別)/品番442-406(プロテクターカバー付き)
    【替え本革ケース】¥2,600(税別)/品番442-408
    スウェーデン製

     

     

    f:id:Suiten:20170930202719p:plainFiskars フィスカース X7は柄の部分がグラスファイバー強化ナイロン樹脂で作られているのが特徴です。木製の柄と違いとても軽いのが特徴です。柄の中は空洞になっているため軽量化を達成しています。

    片手で簡単に振り上げることができるので、枝払い用として販売されていますが焚付材を作るのに適しています。また、キャンプ場で焚付材を作ったり、薪拾いの際に持っていくと良いでしょう。

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    切ろうと思えば大きな樹木も切り倒すこともできます。

     

    SPEC

    ・寸法:刃渡70×L350mm
    ・材質:刃部/カーボン鋼(フッ素コーテイング処理),グリップ/グラスファイバー強化ナイロン樹脂
    ・重量:0.47kg

     

    Fiskars フィスカース X7については以下の記事でも書いていますよ。 

    www.makitomo.net

     

    刃身を比べてみました

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    グレンスフォシュブルーク(Gränsfors Bruk)

    グレンスフォシュブルークスの素材はOvako社製のリサイクル鋼を使用しています。古くから、北欧はリサイクルに対して先進的な考えを持っています。日本では聞き慣れない会社です。グレンスフォシュが使用する鋼材は、完璧な斧ヘッドを製造するために特別に作られており、鋼はあまりに硬すぎなように、Ovakoと共同開発しながら作成しているそうです。

     

    Ovakoは、高い純度と低い酸素含有量を持つ鋼、改良された機械加工特性を有する鋼、高い耐摩耗性を有するホウ素鋼を専門としています。純粋な鋼は極めて耐久性があり、したがって、風力タービンのボールベアリングおよびリング、ディーゼルエンジン燃料噴射システムのコンポーネントおよび穿孔工具などの要求の厳しい用途に使用することができる。wiki

     

    フィスカース(Fiskars )

    フィスカースはカーボン鋼(フッ素コーティング処理)と書かれており、独自のブレード研削技術により、接触性を高め、よりクリーンな切断を実現するようです。
    硬化鍛造スチールブレードは従来の軸よりも鋭く、低摩擦のブレードコーティングは木材を通し、ヘッドが固着するのを防ぐようにコーテイング処理がされています

     

    どちらもまとめてみると鋼素材ですが、そこへ化合物を混ぜてさらに硬度を高めているようですね。イメージとしてはグレンスフォシュは無骨な昔ながらの方法でありながら、時代にマッチしたリサイクル材を利用しているようです。フィスカースは計算された現代的な斧というイメージで使い勝手がとても良いです。刃身にフッ素コーティング処理がされている点なども、ユーザー視点でのアイデアが盛り込まれています。

     

     

     

    いろいろなブログを見ても、どのアックスが良いかわからないものですね。アックスを何本も使いまわしている人は少ないので、 どの商品が良いかは人によるというこでしょうか・・・・

    特に今回は、大型薪用と焚付材を比べていますので、どちらが優れているというわけではないのであしからず。

    久しぶりの薪ストーブネタです。そろそろ朝晩の冷え込みが厳しくなってきたので、そろそろ冬支度を始める頃ですね。

     

     

     

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